オタク日誌S

日々のオタク活動を綴ります。BABYMETALと乃木坂46の話題が中心です。

2015.06.28 舞台『じょしらく』チームご千秋楽公演 ライブビューイング レポ・感想

 ドキュメンタリー映画を見た後、同じTOHOシネマズ六本木にて舞台『じょしらく』チームごの千秋楽公演のライブビューイングに参加しましたので、そのレポと感想を綴ります。

 

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 チームごのメンバーは中元日芽香衛藤美彩北野日奈子能條愛未齋藤飛鳥の5名(画像下段)。他にチームらとチームくがあり、トリプルキャストで各チーム全5公演を行いました。この回は舞台『じょしらく』通算15回目の公演、すなわちチームごの千秋楽であると同時に全体の大千秋楽でもあったわけです。オタとしては1回1回の舞台そのものを楽しむ他にも、1つのチームが5公演のうちにどのように成長していくか、そして他のチームとどのように差異をつけ個性を出すのか、という点でも楽しめたのではないでしょうか。私自身は、今回が最初で最後の観劇であったためにそのような楽しみ方はできませんでしたが。

 じょしらく、とは女子落語家の略。つまり、この舞台は5人の女子落語家たちの話です。とはいいつつも、メインのストーリーは楽屋での団欒の様子を描いており、劇の半ばで各公演1人が代表して高座をつとめる他には千秋楽公演では衛藤美彩が担当、落語をするわけではありません。劇中、アイドルとして歌って踊るシーンもあります。

 

 私が事前に仕入れていた情報は以上であり、原作は読まず、過去14回分のレポや感想も可能な限り観ないで本公演の観劇に臨んだのでした。

 

 配役は以下の通り。

防波亭 手寅(ぼうはてい てとら) 中元日芽香

蕪羅亭 魔梨威(ぶらてい まりい) 衛藤美彩

波浪浮亭 木胡桃(はろうきてい きぐるみ) 北野日奈子

空琉美遊亭 丸京(くうるびゆうてい がんきょう) 能條愛未

暗落亭 苦来(あんらくてい くくる) 齋藤飛鳥

 

 手寅は主役ですが、性格はいい意味でも悪い意味でもふつうな常識人。臨機応変に対応し、まわりの暴走を止める緩衝材のような役割を果たします。魔梨威は、「つまんねーこと聞くなよ」が口癖の姉御肌な性格。まわりを巻き込む勢いがあります。木胡桃はマスコットのようなキャラクター。かわいらしいのですが、裏では毒舌な一面も。丸京は武闘派でツッコミを担当することが多いがノリがよく暴走することも。苦来は情緒不安定で、ネガティブな性格。

 

 まずこれらの登場人物と、それを演じる役者に似通っている部分があり(言い方を変えれば、配役がイメージ通り)、みんながとても自然に演じられていると感じました。5回目ということもあり、慣れもあったのか、アドリブと見受けられるような場面も多かったのですが、それは役になりきっていたことも影響していたのかなと思いました。

 日常会話を中心に話は進んでいくので、ともすれば地味で平凡になりそうなものですし、舞台という特性上、動きが無ければつまらない。またカメラワークでもって心の動きを補完するというようなこともできないので、表情や体の一つ一つの所作、声色や声量がテレビドラマなどにおける演技よりもはるかに重要になるわけです。こうした「日常系」「ほのぼの系」を舞台上で演じるのは思っている以上に難しいのではないかと感じました。

 

 私が特に良いと思ったのは手寅を演じたひめたん。先に解説した通り、手寅は無個性とも捉えられかねないようなキャラクターです。しかしながら、ひめたん演じる手寅は、しっかりと存在感を示すことができていました。ひめたんの声はとてもよく響き、通る声で聞き取りやすく、またそのために些細な変化もわかりやすかったです。また、声色の使い分けもうまくて、とりわけ強めの口調は魅力的でした。

 スペックの高さを見せつけられたのは、魔梨威を演じた美彩先輩。本公演においては、まずなによりも高座について述べるべきでしょう。カーテンコールにおいて本人も緊張したと語っていましたが、長いセリフを噛むことなく流麗に仕上げていたのはさすがでした。お題は「握手会公社」。未来のアイドルの握手会がどうなっているかというお話。握手会を大切にしてきた自分がこのお題をやることに運命を感じるとも言っていましたが、その分気持ちが入っていたことも伝わってきました。

 丸京を演じたじょーさんも素晴らしかったです。おそらく一番アドリブが多かったのではないでしょうか。それだけ余裕があったのでしょう。演じることでいっぱいいっぱいになるのではなく、しっかり客席に向けて演じることができており、巧みなワードチョイスや絶妙な間の取り方で何度も笑いを取っていました。

 

 木胡桃を演じたきいちゃん、苦来を演じた飛鳥ちゃんも良かったと思います。率直な感想としては、すでに述べた3人に比べると、いま一つ物足りないかなという面もありましたが、決して足手まといになっていたり、舞台のクオリティを落としていたわけではなく、この2人もまた「じょしらく」になくてはならない存在でした。

 

 メインである日常の楽屋風景のシーンの合間に随時挟み込まれる歌唱シーンもまた今回の舞台の大きな見どころでしょう。オープニングのキャラクター紹介の楽曲をはじめ、ストーリーに沿うように、明るくておもしろい楽曲が展開されました。曲調として王道のアイドルソングのような元気さに通じるものもあり、カップリングのユニット曲にあったらライブなどで盛り上がるだろうなぁと思いました。

 

 しかし、なによりも最も心を揺り動かされたのは、カーテンコールでのMCでした。千秋楽ということもあり、これまでの苦労や、関係者への感謝の気持ちを涙ながらに語るメンバーが多く、もらい泣きしそうになりました。「舞台に立つことが怖かったけど、この舞台を通じて楽しさも知ることができた」と涙ながらに充実感を述べるきいちゃんや、「稽古期間中に体調を崩してしまい遅れてしまった自分にチームメイト一人ひとりが優しく声をかけ、支えてくれたことが嬉しくて、チームのことが大好きになった」とメンバーへの熱い思いを語るひめたんの姿には他のメンバーも号泣していて感動的でした。「この舞台が終わってしまうことが悲しい」「苦手意識のあった舞台が好きになった」「また舞台というものに挑戦してみたい」と語るメンバーをみて、今回の舞台『じょしらく』の充実ぶりを窺い知ることができました。運営にはぜひ映像作品として出してほしいと思います。