オタク日誌S

日々のオタク活動を綴ります。BABYMETALと乃木坂46の話題が中心です。

2015.06.28 『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』完成披露上映会、舞台挨拶 レポ・感想

 乃木坂46のドキュメンタリー映画の完成披露試写会および舞台挨拶を観にTOHOシネマズ六本木に行ってきました。私が参加した午後の部は、先に舞台挨拶、それから映画という流れでした。それでは、以下レポと感想です。

 

 

【舞台挨拶レポ・感想】

 舞台挨拶、司会進行は高橋大輔アナ、登壇者は丸山監督、乃木坂から白石、西野、生駒、生田、橋本、若月、桜井、秋元、深川の9名。メンバーは皆ドレスに高めのヒールでいつも以上に大人っぽい雰囲気でした。

 

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(画像はすべてTOKYO POP LINEより転載)

 最初の質問は、これから映画を見るにあたって、オススメのシーンはどこか。

生駒「メンバーがみんな綺麗になっている。オーディションの時と今を見比べて自分でも変わったなと思う。」

橋本「私はオーディションのときは今より体は細かったのだが、顔だけはむくんでいたのかパンパンで不細工なので、いまの私を見てほしい」(途中でオタク「何キロなの?」橋本「え、何キロか?」生駒「コラ!レディに失礼だよ」)

若月「正直、見るのが辛いシーンも多い。でもみなさんには、そういう乃木坂の一面も知ってもらいたい。家族のように、マイナスの面も受け入れた上で愛される関係をファンのみなさんと作れたら嬉しい」

 

 地元での撮影などロケも多かったようだが、何かエピソードは。

橋本「本編で使われなかったのだが、撮影の裏話として、旭川で男子高校生に囲まれて握手をたのまれた。時間がなかったので、みんなに並んでもらいハイタッチ会をしたが、その列の最後尾になんと弟がいたので、勢いでハイタッチしてしまった後になにやってんだ(笑)と頭をはたいた」

 

 舞台挨拶終了間際に、

高橋アナ「桜井さん、最後になにかあるそうですね」

桜井「はい、そうです。みなさん、昨日は何の日ですかー?」

プライズで若月の誕生日を祝福しようという企画だったのですが、会場は質問の意図がが掴めなかったのか反応が揃わずグダグダに。高橋アナが仕切りなおして、ケーキ登場とハッピーバースデーの合唱。

若月「とても幸せ。絶対にこの恩返しをできるように全力でがんばる」

 

 舞台挨拶は午前の部につづき2回目ということもあって、生駒ちゃんとオタとの掛け合いなど少しの笑いもありつつリラックスした雰囲気で行われました。最後に桜井がキャプテンとして、新たな一面、それも負の面を見せているのでファンにどのように受け取られるかは不安だが、これまで知らなかった人にはこれを機に乃木坂というグループを知ってもらい、いますでにファンの人にはさらに好きになってもらえたら嬉しいです、と綺麗にまとめていました。映像美に言及するメンバーも多かったです。監督は、尺の都合上泣く泣くカットしたシーンも多かったのが残念だが、この映画を通じて「人は変われる」というテーマが伝わればうれしい、とのことでした。

 個人的には若月のコメントがうまくて、感心しました。他のメンバーが、負の側面を受け入れてもらえるか不安だという話をしていた中で、そこからさらに一歩発展させて、正の面だけでなく負の面も受け入れたうえで愛し合える家族のような関係性を築きたいというコメントは秀逸でした。

 

【映画本編レポ・感想】

 以下、ネタバレを含みます。それでも良ければ、続きをご覧ください。

 

 

 

 映画の構成としては、最終オーディションを経て結成、地方出身メンバーの上京や共同寮生活、AKB48のリクアワでデビュー曲を初披露、プリンシパル公演や選抜発表、生駒のAKB兼任や若月松村のスキャンダルなどを乃木坂のメンバーがそれぞれどのように受け止め、そしてグループとしてどのように団結し成長してきたのか、について掘り下げるいわば全体史のようなものと、一部のメンバーについてそれぞれ掘り下げた個人史のようなもののオムニバス形式という感じでした。メンバーの母親の視点、メンバー本人の視点で、乃木坂に入るまでと入ってからの悩みや問題について赤裸々に述べ、乃木坂に入ったことでどう変わり、また活動していく中でどのように変わったのか、あるいは成長できたのかということを明かしています。

 「悲しみの忘れ方」とは、これまでの人生で味わってきた辛さや心の葛藤とどのように向き合っていくかということで、「人は変われる」というのは、これまでに変われたメンバーもいれば、これから変わっていかなければならないメンバーもいることを示しているように見受けられました。

 小学生のときにいじめにあっていたものの、その苦しみを心のうちに閉じ込め、以後周りから隠れるように地味に生きてきた生駒。おとなしい性格で、まわりと馴れ合うことを得意とせず、自分の居場所をなかなか見つけられなかった西野。 中学で、言葉の暴力に耐えかねて不登校になり、心を閉ざした白石。親の反対を押し切って上京したプレッシャーの中で、美大に通いつつ生活費を稼ぐために決して強くない身体に鞭打ってバイトを掛け持ちして苦しい生活を送っていた橋本。幼少期より頑固で自分に厳しい性格のために、ピアノを中心とする習い事と学業、さらにアイドルとしての活動をすべて完璧にやろうと様々な犠牲を払ってもがいてきた生田。その他、さまざまに悩み、問題を抱えたメンバーたち。

 彼女たちは、アイドルという華やかな顔を持っているものの、一方では当たり前だが一人の人間として苦しみもがくこともあるし、アイドル活動は楽しいことばかりではなく辛いことも多い。「なぜうちの娘が他の人に評価され、泣かされないといけないのか」という言葉がとても重く響きました。辛い過去と向き合い、変わるために、新たな自分になるために乃木坂46というグループに入ったメンバー。夢をかなえるためにグループに入ったメンバー。ひとりひとり入った動機や目的、未来に思い描く夢も異なるが、それでもみんなが乃木坂46というグループに懸けて、自分のために、そしてグループのために努力する。「結成時よりAKB48の公式ライバルとして扱われること」「同じグループの仲間同士でありながらライバルとして争うことを余儀なくされたプリンシパル公演」「ライバルグループと兼任する生駒」「若月や松村のスキャンダル」。グループ全体を揺るがすような出来事の舞台裏で、メンバーがそれぞれどんな思いを抱いていたのかを語るその言葉の端々から、グループへの愛情が汲み取れました。

 笑顔で歌って踊る煌びやかなアイドルとしての顔ではなく、等身大の素顔に焦点を当てた今回の映画は、舞台挨拶でメンバーたちが推していたように、乃木坂46というグループをより深く理解し、そしてこれからも応援していこうと思わされるものでした。私がアイドルというものを好きなのは、思春期に恋愛などプライベートを犠牲にしてでも夢に向かって努力し、成長していく過程を描いたその美しさのためです。彼女たちの決して長くはないアイドルとしての儚い時間の中で、一生懸命に燃え上がる美しさのためです。彼女たちは「変わってきた」しこれからも「変わっていく」。乃木坂46というグループがまた一段と好きになりました。

 

 しかし、不満がないわけではありません。乃木坂46の映画とは銘打ってはいますが、その実1期生の映画であり、さらにいえばその中の選ばれた数名のメンバーの映画であることは否めません。1期生の中でもアンダーメンバーや2期生は全くと言っていいほど取り上げられませんでした。劇中の生駒の言葉を借りるならば「みんなで揃って乃木坂」なのです。仕方ないということはわかりますが、「乃木坂の映画」である以上、そこは残念でした。アンダーから選抜に入ろうともがき、努力する彼女たちもまた「変わろう」とする乃木坂46の一員です。